治験に参加すると金銭がもらえるのですか?
「治験に参加することで発生する経済的・精神的な負担を減らす『負担軽減費』」
治験に参加することで、被験者にはさまざまな負担が生じます。
負担の例をあげると、治験が実施される施設に向かうための交通費、治験参加者の時間が
拘束されてしまうことから生じる精神的な負担などがあります。
このような治験参加で生じる負担を減らすために、負担軽減費が治験参加者に対して支払われます。
27歳男性のAさんは入院2泊3日の治験に参加しました。治験参加のために仕事を休み参加しました。
治験参加1週間前からは栄養バランスがとれた食事や睡眠にも気をつけました。
また治験参加中は10回以上にわたる採血、さらに禁酒や禁煙が厳守です!!
Aさんの負担を軽減する目的で医療機関より負担軽減費を4万円貰いました。
糖尿病を患っているBさんは、糖尿病の方対象試験に3ヶ月間参加しました。
治験参加中はかかりつけの病院への通院から治験実施施設への通院に変更となりました。
治験実施施設は隣町のため電車で通院をしました。
病院の変更や交通費などの負担を軽減するため1通院1万円の負担軽減費を医療機関よりもらいました。
この負担軽減費は、いわゆるアルバイト代ではないことに気をつけてください。
治験には金銭の授受があるため、治験に参加される方の中には治験を
「アルバイト」と勘違いされている方がいらっしゃいます。
ですが、被験者は従業員としてではなく、「有償のボランティア」という立場で募集されます。
(「治験とアルバイトの違い」に関するページ:http://gogochiken.jp/baito/)
なぜ、このような立場を取っているのでしょうか。
その理由は「倫理的・道徳的な原則に従って実施するため」です。
治験の参加者募集にあたっては、被験者の「自由意志」が大前提となります。
(強要した場合は人体実験となってしまいます)治験参加者の自由意志を前提として
参加者の募集が行われているため、治験参加希望者が自分の意思で自由に治験への参加を決めたり、
辞退を決めたりする事ができます。
もちろん治験の途中で辞退することも可能です。
治験は本人の自主的な意思を前提とするため、道徳的・倫理的な問題をクリアしています。
このため治験に参加するとき、担当の医師から治験についての事前説明(インフォームドコンセント)を受け、
参加する・しないを被験者が決定することができます。
被験者が自由意志で治験の参加を決めることを前提としているため、
金銭の誘導により治験を募集することは禁止されています。
そのため正式な手続きを得ている治験募集のホームページでは
負担軽減費の詳細は掲載されていません。
募集
↓
契約(労働の対価として金銭の約束)
↓
金銭対価として労働を義務を果たす
↓
対価(給与)の支払い
※労働の段階で金銭支払いの契約があり、労働の義務が発生する。
募集
↓
自由意思の確認
↓
治験参加(自由参加であり義務はない)
↓
負担の軽減、謝礼として負担軽減費が支払われる
13/08/09
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13/07/22