治験ってなに?

前ページの復習:治験とは?


治験とは発売前の薬の安全性と有効性、副作用を検証するための臨床試験のことです。
製薬メーカーが薬を販売するには厚生労働省の承認・認可が必要で、治験はこの申請で必ず必要な過程となっています。
治験に参加する方のことを医学ボランティアあるいは治験ボランティアと呼びます。


これだけの説明ではまだ分からないことが沢山あると思いますので、
よくある質問にお応えする形で、治験の説明を続けさせていただきます。

治験と臨床試験って何が違うの?

臨床試験は、人に対して行う試験の全般を意味し、
治験は発売前の医薬品試験を指します。

つまり治験は臨床試験という大きなカテゴリの中の1ジャンルということになります。

身近な例で例えるならりんごはフルーツの中に属しているようなものです。

"フルーツ"「臨床試験」で、
"リンゴ"「治験」です。

治験と人体実験って何が違うの?

残念なことですが、未だに治験を人体実験と誤解している人が多いです。

人体実験とはインフォームド・コンセント(正しい情報を得た上での合意)を伴わないで行われる非倫理的な実験のことを指します。
第二次世界大戦中のドイツでの強制収容所における収容者に対する、 回復の望めない実験が行われた例などが人体実験にあたります。このような歴史は二度と繰り返してはいけません。

治験では、
①「正しい情報を伝えること」
②「本人の自由意思で参加を決めること」
③治験が倫理的に行われているかを確認するために治験を実施する病院とは別に IRBという中立的な委員会による審査が行われています。

    

・治験の情報提示について
治験に参加される方は治験実施前の段階で治験担当医により
詳しい薬の効果や副作用について説明を受けます。
専門的な内容を担当医より解りやすく説明いたしますが、
分からないことがあれば遠慮せずに質問するようにしてください。

・本人の自由意思で参加をきめることについて
治験担当医により治験について詳しい説明を聞いたあと、
治験の内容について同意するかどうかを決める必要がありますが、 治験は自由意志により参加いただくものですので一旦同意した後であっても、いつどの段階でも途中辞退することが可能です。

IRB:治験実施機関が治験を実施する際に厚生労働省に届け出た治験の内容を中立的な立場で、治験の倫理性、安全性、科学的妥当性を審査する委員会です。